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■「コンセプトへの道」
その名はエキセントリック。フードバーを
開店させる。お店のイメージは「イギリス
のオールドバー」そんなオーダーを依頼し
てきたのは、同店オーナーT氏。その依頼
を受け、ライフ・ワークス代表、須田氏は
考える。
イギリスのオールドバー。古き時代から
あるBAR、もしくはそれを思わせる雰囲
気を持ち合わせるBAR。
渡米回数は10回以上を数える須田氏で
あるが、イギリスへ行った経験は無く、イ
メージがピンとこない。そこでいつもの用
に資料集めから開始する。材料、演出した
い雰囲気、デザインなどのアイデア、プラ
ンが徐々に見えてくる。が、いまひとつな
のだ。それらが、須田氏の頭の中で、リア
ルに具現化できない。
「何かが足りない」 |
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そこで出発点に戻る。オールドバーとは何
か。外観的なイメージはもう解っている。
では、そこで誰が何をするのか。
そこは、大人の社交場。大人が遊ぶところ
なのだ。騒いでお酒を飲むという方法もあ
る。が、ここは大人が大人のお酒と時間を
楽しむところ。普段はしっかりした大人の
時間を過ごしている紳士達。しかし、彼ら
は遊ぶ事も大好きで、このバーにやって来
る。だから、ただ落ち着いた雰囲気だけで
はいけない。落ち着いた中にも彼らの心が
ソワソワするような「非日常」がなければ。
オールドバーで大切にするべく事は、そ
のイメージやデザインでなく、「大人が遊
べる心を持てる環境」なのだ。
さらに、お店の名前のエキセントリック
を辞書調べると、「風変わりなさま」とい
う意味ももっている。
須田氏の中で、今回のコンセプトが決まる。 |
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「大人の集まるBAR」
これが、今回のコンセプトにたどり着いた
経緯である。ここまでくれば、デザインは
早かった。大人の雰囲気をだしつつ、来店
する人々の心がソワソワするような「非日
常」を感じなくてはならない。
そこで、イメージを「工場の跡地」とい
う設定にする。きらびやかではなく、薄暗
い、落ち着いたイメージ。しかし、「工場
の跡地」は非日常である材料はたくさんあ
る。狙いたいイメージにぴったり。実際、
イギリスでは、工場跡地を利用したバーも
ある。
須田氏の中にバラバラになっていたアイデ
アとプラン。それらはコンセプトの元、デ
ザインされていく。
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