■施工名称 M邸新築工事
■工法       木造軸組工法
■設計・施工・監理   ライフ・ワークス
■所在地        群馬県桐生市
■竣工年(完成)  平成13年11月
■オーナーからのオーダー内容・コンセプト
・収納をいっぱい
・動線
・できるだけ無垢の木を

■コンセプトへの道
はじめに、オーナーから伝えられた3つのオーダー内容を、 1づつ確認する。

『収納をいっぱい』
生活をしていけば、必要な物があり、時に、それは増えもする。 それらは、どこかに「収納」しなければ、 物があふれ、居住スペースはどんどん狭くなる。 整頓された家をストレスなく維持するのに、大きな影響力を持つのが オーダー内容のひとつ「収納(スペース)をいっぱい」あるということだ。

『動線』
朝起きて、洗面所に行き、顔をあらう。
食材や日用雑貨の買い物から帰宅した時、買ってきた荷物は冷蔵庫や、収納庫へ。 洗濯したあと、洗濯機のある場所から、洗濯物を干す場所へと移動する。 毎日繰り返される動作。 この動作こそが、家での生活における「動線」であり 毎日繰り返されるこの動作がスムースにいく事は、 スムースな「動線」がとても重要だ。

『できるだけ無垢の木を』
無垢の木がスキで、無垢を使った家が夢だったというオーナーさん。 「スキ」という気持ちは最大の理由や動機である。 毎日を生活する家で、毎日スキな物に触れられる。 毎日を気分よく過ごす家の定義があるとすれば、 収納や動線のように、機能的な部分はもちろん大切であるが、 この「スキという気持ち」も、気分の良い家の定義の、 とても大きい割合を占めているのかもしれない。

3つのオーダー内容確認したところで、
それらを具現化する
ライフ・ワークス須田氏のイメージが始まる。

はじめに「収納」のイメージ。
「収納」が、ただ多よりも、使いやすい収納が多いほうが良い。 そこで、須田氏は「収納」を「動線」の上に置く。 毎日の生活のリズム(動線)の中に収納があれば、 自然に物をしまうコトができる。 わざわざ収納スペースに行って物をしまう感覚ではなく、 生活のリズムの途中に収納スペースをつくり、 自然に近い感覚で物を収納する感覚にしたい。

次に「動線」をイメージする。 毎日の生活の「動線」は数え切れないほどたくさんある。 このたくさんの「動線」の中から、オーナーご家族とも相談し、 小さなお子様を育て、家事をメインで担当される 奥様が毎日使う「動線」を特に大切にするコトにする。

最後に「無垢の木」のイメージ。
「無垢の木」といえば、和風のイメージが強いが、 ライフ・ワークス須田氏はそこにはこだわらない。 こだわるのは無垢の木。 「無垢の木を生かした、和風と洋風」を考える。

オーダー内容を具現化するイメージができあがると、 すべてのオーダー内容が、ヒトツの方向を向いているコトに気がつき、 その事が、今回のライフ・ワークスコンセプトにたどり着かせる。

「毎日がスムースで気持ち良い家」

とても自然な事だ。
その、とても自然な事に、オーナーのオーダー内容から、 自然とたどり着けた事が、ライフ・ワークスコンセプトに真実味をもたせる。 いや、そんな難しい言い方よりも、もっと簡単な言い方の方が良く伝わる。
そう。 オーナーと須田氏の気持ちが、しっくりきたのだ。

しっくりきたところで、ライフワークスコンセプトのもと、 具現化が開始される。

■本施工に関してのライフ・ワークスコンセプト
「毎日がスムースで気持ち良い家」

<ポイント>
・動線の上にある収納
・奥さんが動きやすい動線
・無垢の木を生かした、和風と洋風


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