■施工名称 アジュール ヘアメイク 新築工事
■名称     ajoure (アジュール)
■業種     美容室
■デザイン・設計・施工    ライフ・ワークス
■所在地    足利市
■竣工年(完成) 平成21年12月
■お客様からのオーダー内容・コンセプト
・コレというのはまったくなく、外壁の色が白っぽい色か濃い色。
・内装も特にこだわりがない。
・シャンデリアをつけたい。
・床をコンクリートの打ちっぱなしがいい。

■本施工に関してのライフ・ワークスコンセプト
・メインコンセプト
「年月がたつごとに、あじが出てくる建物」
・イメージコンセプト
「アメリカ片田舎」
「サンタ・フェにある老舗店」
■「コンセプトへの道」

特に、こだわりがない。
そんなオーダーも、あるのだ。
困ったものだ。
とは、捉えてはいけない。
全てをまかせてもらっている。
そう捉えるべきなのだ。
須田氏は、まず、オーダーの内容を確認する。
・外壁の色が白っぽい色か濃い色。
・シャンデリアをつけたい。
・床をコンクリートの打ちっぱなしがいい。
この3点が、今回のオーナーからの希望内容。
いわば、デザインの材料だ。
まず、これらを分析してみる。
・壁の色は白っぽい色か濃い色。
・床をコンクリートの打ちっぱなしがいい。
この2点からイメージされる言葉は、
シンプル、無機質。
コンクリートの床に白い壁をたてれば、
シンプルで無機質なオシャレな空間が
わりと簡単にできあがる。
そう。簡単なのだ。
シンプルで無機質でオシャレなだけの、
簡単な空間になってしまう。
簡単なものは、奥深さなく、飽きやすい。
それは避けたい。
そこで、残り、もう1つオーダー内容を検証する。
・シャンデリアをつけたい。
ここからイメージされる言葉は、
「豪華」「装飾」のたぐい。
先の2つのオーダー内容からイメージされる、
シンプル、無機質とは反する。
困ったものだ。
とは、ここでも捉えない。
おもしろい。
そう捉えると、須田氏の頭の中で、
2つの反するイメージのパズルが始まる。
白とシャンデリアの新しい形ができ、
イメージが見え始める。
その白とシャンデリアがあるのは、
アメリカの片田舎。
そう。
たとえばサンタフェ。
ニューメキシコ州、サンタフェ。
そこは、インディアンをはじめとする、
多くの文化の集まる場所。
そこにある白は無機質の白ではない。
生活とともにある白。
生活とともに、少しづつ味のでてくる白。
そこには、豪華すぎない、無骨なシャンデリアもある。
それは、装飾ではない、生活に必要な、
本来の照明としての役割を忘れていない。
須田氏はたどり着く。
・メインコンセプト
「年月がたつごとに、あじが出てくる建物」
ここは美容室なのだ。
飾りではない。
ショールームでもない。
実際にお客様に美容に関するサービスをする場所。
生きている空間なのだ。
生きているのならば、
年月が立つごとに、変化があるのが自然だ。
使っているうちに、汚れても良い。
キズができてもよい。
それが、自然。
それが「あじ」となるような建物であってほしい。
・外壁の色が白っぽいか濃い色。
・シャンデリアをつけたい。
・床をコンクリートの打ちっぱなしがいい。
特にこだわりのない、この3つのオーダー内容に、
須田氏は「こだわり」を持たせた。

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